院長のおはなし
患者を思ってはなすこと
あいさつは基本 あいさつから症状を探る
:先生、外来にいらっしゃるお子さんに「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」と声を掛けているそうですが、何か意味があるのですか?
院長:あいさつは基本ですからね。それと、チョッと反応がみたくて声を掛けるようにしています。
:どういうことですか?
院長:反応はさまざまです。大きな声で、こちらの目を見て大きな声であいさつができるお子さんが大半なので安心しています。しかし、たまに全く声を出さない、目を合わせてくれないお子さんも見受けられます。
これが、ただしつけの問題だったらまだ救われます。おかあさま、おとうさまに気付いて頂き、その日からしつけをして貰えばすみます。ただ違う場合があるのです。
:違う場合とはどんな事ですか?気になりますね。
院長:テレビやDVD、ビデオの見すぎ、ゲームのやりすぎでそうなっている場合があるのです。それで感情を失っていることがあるのです。
:感情を失っているとはどういうことですか?
院長:感情は、人と人のふれあいからできるのです。お子さんが話しかけたらそれに答える、お子さんと一緒に笑ったり怒ったりする。お子さんの目を見ながらお話をする。その行為がお子さんの感情を育てるのです。
しかし、テレビなどは一方通行で、お子さんが笑っても泣いてもテレビは感情を表しません。それに、目線なんか絶対に合わせてくれません。そんなことを毎日数時間繰り返すうち、お子さんが感情を出すことを止めてしまいます。
:感情は人と触れ合うことでできるのですね
院長:そうです。笑ったら笑い返す。お話をしたら目を合わせてあげる。その方法しか感情を育てるすべはないのです。
:小さな頃に感情が未発達だったらどうなるのですか?
院長:いわゆる、キレル・むかつく とういう状態になりやすくなったり 引きこもってしまったりすることが多くなります。
:けれどゲームをやるな、テレビを見るなといっても難しいことですよね。
院長:そうですよね。私もテレビを見るな、ゲームをやるなとは言えません。ただやりすぎるのは良くない。小学生低学年ならテレビは1日1時間、ゲームは30分まで、そして、週に1度はテレビもゲームも全くみない日を作るのがお勧めです。
:なんか大人の禁酒禁煙みたいですね。
院長:そうですね。どうでしょう、お子さまが頑張ってテレビやゲームをしない日はおとうさん、おかあさんもお酒やタバコは止めて、一緒に会話を楽しむというのは。
それはいいですね。是非実行してもらいたいですね。
2006年4月17日 診療を終えた診察室にて